第24話・就職活動のカリスマ・海ちゃん

 今回は、かなり久々の外伝になります。本来なら予告通りにラビの係わった選挙にまつわる話を書く予定でしたが、例によって例の如く、今回も割り込みで昨日の出来事を書いてみようと思います。そんな訳で、本編の開始です~!
                              
 北海道らしく、すっかり寒くなった10月のある日。この日、大学で海ちゃんが内定者報告会という就職課のイベントに報告者として参加することになっていた。事前に海ちゃんはHP上や掲示板に書き込んで宣伝をしていたので、みっつと「ぺ」とLilyの3人は見物しに行く事にした。
 報告をする教室は2部屋あって、同時に2ヵ所で報告が行われる予定だった。海ちゃんが報告するのとは別の教室では、大手企業の内定者が報告するようで観客が多く集まってきていた。だが、対照的に海ちゃんの発表する教室は空席がかなり目立ち、職員の指示で隣の狭い教室に移動させられた。この時には、
 就職課の職員 「この人数なら、この教室で充分でしょう」
 と言っていたのだが、報告前に教室変更の説明をした時には、
 就職課の職員 「ゼミみたいにオープンな雰囲気でやった方がいいから移動しました」
 とか、白々しく語っていた。そんな内に報告会が始まり、発表者の席にはスーツを着こなした海ちゃんの姿も見えた。だが、他の報告者がスーツどころか普通に私服だったので、バンダナを巻いて(正直、あり得ない)いたので、スーツを着ていた海ちゃんがむしろ浮いていた。
 しばらくして、1人目(バンダナ君)の威勢のいい報告が終わり、遂に真打・海ちゃんが登場した。皆の注目が集まる中、海ちゃんは静かに喋り始めた。
 海ちゃん 「まずですねぇ。どんな場面でもメモを取るのが重要だと思うので(特に僕の話はありがたいので)メモした方が(あなた達の身のために)良いですよ~。エヘヘへヘ」
 この時、海ちゃんから正面にみっつ達が座っていたのだが、海ちゃん見物に来ただけなので筆記用具などは持っていなかった。当然、メモを取る素振りすら見せなかった。
 (もしや、さっきからぼ~っと馬鹿みたいに聞いているだけの俺に対するあてつけか!海め!!)
 と、みっつは内心で激昂していたが、その内にも海ちゃんは話し始めていた。
 海ちゃん 「僕は去年の今頃から東京を中心に就職活動をして、色々と(いけない)経験をしてきましたが~」
 流石は、海ちゃんは一味違う。かなり理論立てて内定までの経緯を説明し始め、東京での体験から徐々に話しを核心へと迫って行った。途中、独特の「海野節」ともいえる独特の言い回しで場の空気を掴み始めていた。
 海ちゃん 「僕が東京(の女の子にも飽きたの)で就職活動を止めて、北海道に戻って(ナンパ)活動を再開してからは、自慢する(必要もないくらい僕にとって実力通りなので、そんな自慢する)つもりはないんですけど3社から内定(と賄賂)を貰い(私腹を肥やし)ましたよ~。エヘヘへヘ」
 と、後輩達の為に力強く語り、羨望の眼差しで見られていた。やはり後輩達も海ちゃんに只ならぬモノを感じたのか積極的に質問をしていた。海ちゃんも、
 海ちゃん 「(僕のようなカリスマの言う事に間違いはないから)こうい
う機会に(ありがたい)話を聞いておくのは(今後の悪事の)参考になりますよ~。エヘヘへヘ」
 と、笑顔で応対していた。そんな内に、報告会が終わったので、みっつは海ちゃんの家に泊まりでラビも交えて遊ぶ予定だったので後で合流する事にして、一度指導室に荷物を取りに行った。
 その後、待ち合わせの場所に行くと海ちゃんと見知らぬ2人の学生が一緒にいた。どうやら、さっきの報告会に参加していたようだった。
 海ちゃん 「質問を受けてしまったので、しばらく待って下さいね~。エヘヘへヘ」
 と、言いながら誇らしげに質問に答えていた。終わるのを、みっつは本を読みながら待っていた。
 海ちゃん 「やぁやぁ、お待たせしました~。エヘヘへヘ」
 みっつ 「じゃあ、近くのスーパーで御飯でも買いに行こうか。」
 結局、10分ほどで終わったみたいなので、2人は小雨の降る外へと出て行ったのだった。

 とりあえず、前半部分を書いてみましたがどうだったでしょうか?今回の海ちゃんの報告会のセリフには、新たな試みとして海ちゃんの本音を想像して書いてみました(笑)
 次回は、合流した3馬鹿だけの海ちゃん宅での一夜の模様をお贈りする第25話「海ちゃん、ネムネム」です。お楽しみに~!

※この物語は事実を元に構成されたノンフィクションです。
           [総監督・原作・監修] 海ちゃん
           [脚本・シリーズ構成] みっつ


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